司会能力の上達のためにできること

「司会」をみなさんはされたことがありますか?
司会は、何もテレビ番組のクイズやらに出てくる人たちばかりではありません


身近なところでは、結婚式や会社の催し物などの司会があげられるでしょうか


↓「司会の上達のためにだいじなこと」は以下から読めます!↓

 

司会、とは書いて字の如く、会をつかさどるわけです。

会は進行する流れは決まっていますが、船と同じく流れに身を任せているだけ
では全く目的地にたどり着きません。それどころか見ず知らずの土地に行って
しまいます。(もしかしたら、土地に着くことすら出来ないかもしれません)


しかし、司会がいると流れに身を任せるのではなく、司会が先導をしてくれま
すので、司会の指示に従えば、自ずと進行通り目的地に到着するのです。


クイズ番組の司会であれば、クイズを出し答えを聞き、回答を見る、そしてま
た来週と番組を締める。


結婚式の司会であれば、新郎新婦の入場から式を盛り上げ、その上で式を締め
る。


この一連の流れを取り仕切ります。
司会はこの取り仕切りが仕事の全部です。目的地をキチンと把握し、その目的
地にキチンと誘導し到着させる/着地させる、ということがお仕事なわけです
。目的地にキチンとたどり着けなければ、困ってしまいますね。なので、司会は重要なのです。

 

さて、司会の重要性について、話を進めますと、司会には重要なことが3つ有
ることになります。1つは、目的地を知る。2つ目は目的地までのルートを知
る。3つ目は、目的地に到達するまでのスケジュールを立てる、となるかと思
います。

 

1つ目の目的地を知る、というのはカンタンです。
例えば、結婚式であれば、結婚式の目的を達成させることがこれにあたります
。新郎新婦の中には余興が大事な人もいれば、大事な人をもてなすことを大事
にする人もいます。また、祝ってもらうことのみを目的にする人がいます。

 

式を挙げる人によって、色々と目的があり、その目的・ニーズに沿った司会を
しなければいけません。余興を大事にする結婚式にご歓談の時間を長々と設け
ても仕方のないこと、になります。目的に合った目的地の設定を知る必要が司
会には有るのです。

 

2つ目の目的地までのルートを知る、というのは最もメジャーなものです。
式次第を通りに進める、進行表の通りを覚える、などがこれにあてはまるでし
ょうか。式や番組にはきちんとした枠と尺があります。新郎新婦の入場の後す
ぐに両親からの贈る言葉(送辞)をする人はいませんし、式には式に即した次
第がありますから、その式次第に沿った進行が求められます。

 

これを狂わせてしまうことは、すべての人を混乱に陥れてしまうことになりま
すから、あまりにも式や番組をダメにしてしまいます。

 

3つ目の目的地に達するまでのスケジュールを立てる、というのはなかなか難
しいことです。スケジュールは式次第に書いてあることもありますが、それよ
りもここで話すのは臨機応変さ、即応性の問題でしょうか。

 

式は、状況に応じて色々変わります。進行を求める人間でも寄り道は往々にし
て有るものです。その寄り道が式や番組をより面白くさせ、あるいは色々な意
見を引き出し会の魅力を高めます。つまり、式次第の入れ替えあるいは追加削
除などという話になってきます。

 

ファシリテーションは最後の3番目が主でしょうか。


重要な割にはなかなか完ぺきにこなすことが出来ない人が多いと思います。かくいう私もその1人です。では、なぜこの話をここで書くのか。べつに司会の重要な要素の3つを私見として述べる、という愚行をただ行っているわけではありません。それよりも、なぜ私自身が司会を出来ないのか、ということに目を向けたいと思います。その話をした上で、みなさんに共感やご意見をいただければいいな、と思っている次第です。

 

まず、司会の中で非常に重要なこと、「司会をする会の目的の把握」です。私は、正直これをキチンと出来ているか、いつも不安です。私が会社員の最初のころ営業先のニーズを聞く際に、よく先輩に言われたことがあります。それは、「それ聞いた?」です。

 

私達は、モノを売るときでもなんでも人と対するときには、人の意見を斟酌することがよくあります。人の意見を斟酌する時に非常に大事なことに、人の意見を知る、ということがあげられます。その時、よく人は「私もこう思うから、あの人もこう思っている」や「あの人はこう考えそうだから」などと勝手に決めつけて、話を聞くことをおさぼりしていませんか?

 

他にも、結婚生活でよくありがちなことですが、「あの人はなんで私のことをわかってくれないの?」や「私のことただのお手伝いさんと思ってないかしら」など。夫の側からすれば「俺が仕事忙しいのに、何が不満なんだ」や「あいつはなぜ休日くらいゆっくりさせてくれないのか」などのように思うことがありませんか。

 

これらの裏側にある、全ての回答は【相手の気持を本当に聞いていれば、これらの気持ちは全く別のものになる】ということです。

 

一例を。
「あの人は、なぜ私のことをわからないのか?」
⇒これは、あなたの気持ちをキチンと相手に伝えたか、どうかが肝になります。ハッキリ言いますと、態度や身振りでは伝達の補完にこそなるものの、ニアリーですらも伝わりません。それよりも伝達ミスが多くなります。それはあなたの気持ちとあなたの身振りや態度が相手との間で共通言語になっていないからです。

 

相手も何らかの意図/目的があった上で、その対応をしているのです。「いや、そんなはずはない。あの人は私のことを考えるのがめんどくさいのだ」という人もいるかも知れません。もし、本人がめんどくさいを理由にするのであれば、あなたへの対応そのものがめんどくさいのです。それは、あなたに原因が有るのかもしれませんし、相手のめんどくさいと思う沸点が低いのかもしれません。ただ、めんどくさいと思われている、ということがしっかりと分かることに意味があるのです。あなたの世界の中で、あなたが作り上げた相手像からの話には意味がありません。結婚生活という社会の中での2人の会話が何よりも大事なのです。

 

さて、話が脱線しましたが、司会に重要なことの一つに目的の把握があります。目的の把握は、大事なのですが、司会が下手な人の中には、目的の把握が出来ずに、相手の求める目的と異なってしまっていることが往々にしてあります。

 

例えば、新人歓迎会の司会をすることになったとします。あなたは、新人を歓迎する会なのだから、新人をメインにした司会進行をするかもしれません。しかし、その新人歓迎会をすると言い出した発起人は誰なのでしょうか。会社で行うのであれば、会社が会を開く意図があるかもしれません。

 

例えば、よくあるのが、会を開くのは新人のことをよく知ることもそうだが、みんなのことをよく知ってもらうことも会の目的の一つだ、と設定されているならば、司会であるあなたは、新人の自己紹介以外にもみんなの紹介や会社の紹介、働きやすさや会社の風土をはなすことが目的になります。

 

しかし、この目的をしっかりと把握していない場合には、新人だけに自己紹介をさせ、あとはただの飲み会となり、最後には「楽しかった」しか残らない会になってしまうかもしれません。しかし、それは果たして発起人の目的と合致しているのでしょうか。

 

新人歓迎会を会社が主催するのであれば、会社の目的がまずありわけです。その会社の目的に沿って会を創り、司会進行をし、会社の目的と会の結末にズレがないかどうか反省する、ここまでが司会の役目です。(もちろんズレがあれば、ズレを修正して行くのが司会の仕事ですから、修正のための行動を行うことが肝心です。)

 

テレビキャスターは、番組終了後に毎回反省会をします。キャスターの仕事は、話題やニュースをきちんと視聴者に伝えることです。キチンと伝わったか、伝える方法に更にいい方法がないか、などを毎回反省するわけです。ズレがあれば修正し、視聴者の意見から問題が発生すれば謝罪や何らかのアンサーを出します。

 

東京駅に行くはずが、横浜駅についてしまったのなら、横浜駅から東京駅に行くという補正をしなければいけないのと同様です。

 

また、相手の目的を聞いていれば、式次第や臨機応変さも目的に応じたものとなり、司会する取っ掛かりができやすく、会が成功に向いやすのか、と思います。

 

一番大事なことが出来ていないわけですから、ここを聞いて把握するだけでも、司会能力が上達しそうです。